
BAKERY RIVIÈRE -香りを追求し続けるパン屋さん-
村唯一のパンの味
naturadistill川内村蒸溜所からかわうちの湯に向かって10分ほど歩いていくと、左手に小さな白い小屋が見えてきます。
ここが村唯一のパン屋さん、「BAKERY RIVIÈRE」(ベーカリー リヴィエール)です。「BAKERY RIVIÈRE」(リヴィエール)はフランス語で「川」という意味。お店の名前は、川内村の「川」に由来しているそうです。すぐそばには村の中心を流れる木戸川が見えます。
毎朝、焼きたてのパンのいい匂いにつられて多くの人が訪れています。
平日でも午前中に行かなければ大半の商品は売り切れてしまうそうです。
川内村の人々はもちろん、周りの地域にも根強いファンがいる村のパン屋さんです。
人気のひみつはシンプルなおいしさ
「BAKERY RIVIÈRE」(ベーカリー リヴィエール)で一番人気のパンは、耳までおいしく食べることができる「生クリーム食パン」。
北海道産生クリーム、北海道産バターをたっぷり練りこみ、ミネラル豊富な川内村の水で捏ねることで、酵母が活発に働き、ふんわりと贅沢な食感が生まれます。
川内村の素材を使った惣菜パンも人気だそうです。
たとえば、エビカツサンドやタンドリーチキンサンドは、村内の豊かな地下水で野菜を栽培する”密閉型植物工場”「KiMiDoRi」が育てる無農薬レタスを使用しています。シャキシャキとみずみずしいレタスの食感がサンドイッチの中で引き立ちます。
毎日食べても飽きないのは、素材の良さが引き立つシンプルなパンだからこそ。
この美味しさが地元の人々から愛される理由の一つかもしれません。
故郷に根ざし、文化を築く
店主の及川秋奈さんは、川内村生まれ・川内村育ち。
パン屋を開くことを夢に、一度は村を離れて、軽井沢や東京の一流のパン屋さんで研鑽を積みました。その後、東日本大震災をきっかけに、故郷で自身のお店を構えることを決意。2019年に川内村で念願のパン屋を開業しました。
そんな及川さんが語るのは、彼女の目指す「真においしいパン」の姿です。
何よりも大切にしているのは、「パン本来の香り 」。
フランスパンの底の香りをそっと嗅いでみれば、その違いがわかるのだそうです。「真においしい」フランスパンの底からは、素材そのものの風味が豊かに感じられます。
パン本来の香りを引き出すためには、材料にもこだわっています。
焼いた時に芳醇な香りを感じることができる北海道産バターを贅沢に使用。さらに、川内村の澄んだ水を使うことでパンの仕上がりにほんのりと甘い風味をもたらします。
及川さんは、パン本来の魅力を川内村の人々はもちろん、周りの地域にも広め、ここから新たな「パン文化」を築いていきたいと考えているそうです。
棚にパンが並んでいる様子、店内に入ると香るパンの香ばしい香り、一つ一つのパンが作品の様で、すべてから及川さんのパンへのこだわりや愛が伝わってきます。
「真においしいパン」を目指して作る、「BAKERY RIVIÈRE」のパン。
ぜひその香りに注目して味わってみてください。